自動詞に完・不完あり、他動詞に完・不完と二重目的
1. 英語の動詞の種類はどのようにして決まるか?

動詞はまず大きく分けて自動詞と他動詞の2つに分かれます。自動詞には完全自動詞と不完全自動詞の2種類があり、他動詞は完全他動詞、不完全他動詞、二重目的をもつ他動詞の3種類があります。つまり動詞の種類は合計5種類あることになります。英文法の基礎を身につけるために、これら5種類の動詞をしっかりと理解しましょう。

自動詞(2種類)→1. 完全、2. 不完全

他動詞(3種類)→1. 完全、2. 不完全、3. 二重目的をもつ他動詞

 

be動詞のように自動詞の働きしかないものもありますが、多くの動詞は自動詞としても他動詞としても働きます。英語では自動詞であるか他動詞であるかを「~ は自動詞、~他動詞は」というように最初から決まっていると考えてはいけません。自動詞か他動詞かは文章の中でどのように使われるかによって変わってくるからです。例えば”understand”という動詞について考えてみましょう。

I understand. わかるよ。←understandは完全自動詞として働いている。

I understand you. 君の事(気持ち)わかるよ。←understandは完全他動詞として働いている。

 

このように、動詞に続いて目的語(名詞)があるかどうかでこの understandは自動詞になったり、他動詞になったりします。その時々の使われ方でどちらにもなることができるのです。英語の文章は動詞を中心にできています。普通は一つの文章には動詞は一つしかありません。そこで英文を理解するには、まず中心となっている本動詞を見つけ、その動詞がどのように働いているか考えるようにします。下の手順で検討してみましょう。

・目的語はあるか:1つあれば他動詞で2つあれば二重目的をもつ他動詞、なければ自動詞

・補語(名詞か形容詞)があるか:あれば不完全、なければ完全

 

この2つの結果から、その動詞が英語の動詞5種類の働きのうちのどれにあたるのかが分かります。be動詞も動詞には違いありませんから、この動詞5種類の働きのうちのどれかにあてはまるわけです。be動詞は目的語をとりませんので、通常は自動詞となります。補語をとる場合ととらない場合がありますから、完全か不完全かは下の表中のように文によって変わってきます。 なお、進行形などに使われているbe動詞は助動詞となります。

 

He is honest.

主語+動詞+形容詞

honestは形容詞です。名詞ではないので目的語にはなりません。また動詞isは自動詞ですから目的語をとりません。

1. 目的語がない→isは自動詞

2. honestが補語の条件(形容詞か名詞かつ主語=補語の関係)を満たしている

1と2の結果から考えてisは不完全自動詞となります。

He was here.

主語+動詞+副詞

hereは副詞なので補語になることはできません。またwasは自動詞で目的語がありません。仮にwasの後に名詞があってもS=Cの関係になってしまい目的語とはなりません。

1. 目的語がない→wasは自動詞

2. hereは副詞なので補語の条件(形容詞か名詞で主語=補語の関係)を満たしてない

1と2の結果から考えてwasは完全自動詞となります。

なおbe動詞が完全自動詞の時の意味は「いる。ある。」であって「です。ます。」ではありません。

1と2の結果から考えてwasは完全自動詞となります。なおbe動詞が完全自動詞の時の意味は「いる。ある。」であって「です。ます。」ではありません。

 

※まとめ

英語の動詞には完全自動詞・不完全自動詞・完全他動詞・不完全他動詞・二重目的をもつ他動詞の5種類があり、それらが文の中でどのように使われるかで変わります。

1つの文に原則として動詞が必ず1つ必要、逆にいえば1文に2つ動詞があってはおかしいことになります。しかし形を不定詞や動名詞に変えてしまえば使うことができます。

 

2. 英語の文型はどのように決まるか?

上で述べた5種類の動詞(完全自動詞・不完全自動詞・完全他動詞・不完全他動詞・二重目的をもつ他動詞)に番号をつけたものが文型です。英文を見たときにそれが何番の文型なのかを考える必要はありません。何度も繰り返しますが、文型とは動詞の働きの種類ごとに番号をつけただけですから、動詞がどのように働いているかが分かれば、それが何番の文型なのかはどうでもよいことです。英文法の攻略には、主語はどの語か、動詞はどれか、目的語はあるか、補語はあるか、またそれらの品詞は何かなどを理解し文章の構造を見抜く力を養うことのほうが大事です。これは英語の文章を読む時だけではなく、英会話(英作文)にも必要な知識だからです。下の表に文の構造と動詞の種類との関係を示しました。

 

 

 英文の構造 動詞の種類 文型 例文
主語+動詞 型 完全自動詞 第1文型 I understand.
主語+動詞+補語 型 不完全自動詞 第2文型 I am a student.
主語+動詞+目的 型 完全他動詞 第3文型 I have a book.
主語+動詞+目的+目的 型 二重目的をもつ他動詞 第4文型 I get him a book.
主語+動詞+目的+補語 型 不完全他動詞 第5文型 I made my son a doctor.

 

 

ここで最も大事なことは、一番左列の「英文の構造(赤字の部分)」を見抜く力をつけることです。繰り返しになりますが、I understand. は第1文型ですが、I understand you. となればunderstandが完全自動詞から完全他動詞に変わることになります。全く同じunderstand という単語なのにyouが付け足されるだけで動詞の種類も変わってしまいます。そうすると文型も第1文型から第3文型に変わってしまうことになるわけです。

 

3. 英語の補語と目的語の違いは?

1)補語

第1文型から第5文型まで(主語+動詞) という基本的な英文の構造はどれも全く同じですが、そのあとに続く「補語」や「目的語」をきちんと理解していない人は意外に多いものです。「補語」はその文字から判断すると、文章中で何かを補っているような感じがします。そのせいかあまり深く考えずに修飾語句を補語と言ったり、働きのよくわからない語句を補語と思ってしまう人がいます。

これは補語とはどのようなものであるのかをきちんと分っていないからにほかなりません。それでは“I walk to school.“という例文で考えてみましょう。 この文の主語と動詞は誰でもすぐ理解できますね。Iが主語でwalkが動詞です。後につづくto schoolはどのような語句か分りますか?

何となく文を補っている感じがしますがこれは補語ではありません。補語を理解するには「補っている」ということはあまり考えないで下さい。「補」という漢字に惑わされてはいけません。補語を見分ける鍵は次の2つです。補語であるためには1と2を同時に満たしている必要があります。

1. 補語名詞形容詞(相当語句)です。副詞は補語になりません。

2. 主語 = 補語 (S=C)か目的語 = 補語(O=C)の関係になっている。

 

※副詞と形容詞の見分け方のヒント

形容詞=状態などを表す語句、原則として名詞を修飾したり、自動詞の補語や他動詞の補語になる

副詞=場所・時間・条件・態様などや状況や距離なども表し、主に名詞以外の語句や文節を修飾する。語順は比較的自由で、文頭・文末・動詞の直前・be動詞の直後などにおかれる。副詞は補語にならない。

I walk to school. にあてはめて考えてみましょう。I は主語、walkは動詞です。この文章に目的語はあるでしょうか?目的語はありません。目的語になれるのは名詞だけです。schoolは名詞なので条件にあてはまりそうな感じがしますが、前置詞toがじゃましています。もし前置詞がなければ、構造的にはwalkの目的語になります(意味はおかしいですが)。次に補語かどうかを考えてみます。補語になれるのは名詞か形容詞ですから、名詞 schoolは一見だいじょうぶそうな感じがします。しかし前置詞を見落としてはいけません。この名詞 schoolは前置詞の目的語です。”to school”は「学校へ(に)」と副詞の役割をしていますから文の要素とはならず5つの文型にはまったく関係がないのです。

こうして見るとschoolはすでに条件1をクリアしていませんでしたが、条件2にもあてはまりません。私=学校(I=school)にはならないからです。次にI walk my dog. はどうでしょう?I walkまでは前の文と同じですからmy dogについて考えましょう。my は単なる形容詞でdogを修飾していますから、dogについて考えればよいわけですが、このdog名詞ですね。dogは名詞であるし、前置詞もありませんから条件1はクリアしています。条件2はどうでしょう?これはあてはまりませんね。私=犬(I=dog)にはなりません。この結果からdogは補語ではないことが分かります。

 

2)目的語

目的語には2種類あります。動詞の目的語と前置詞の目的語です。どちらの目的語になれるのも名詞だけです。

目的語の条件

1. 目的語になれるのは名詞のみ(相当語句)

2. 動詞の直後にある/前置詞の直後にある

 

もう一度 I walk to school. と I walk my dog. を使って考えてみましょう。 I walk to school. の schoolは前置詞の直後にあるのでschoolは前置詞の目的語です。 I walk my dog. のdogはどうでしょうか?これはwalkという他動詞の直後にあるので動詞walkの目的語だと考えられます。つまり主語+動詞+目的語の関係になっています。

 

※動詞の違い

ここで復習として動詞の違いについても考えてみましょう。I walk to school. と I walk my dog. の2つの文のwalkは両方とも動詞には違いありません。しかし文章の構造がそれぞれ異なっています。

 

I walk to school. →動詞walkの目的語も補語もないのでwalkは完全自動詞

I walk my dog. →動詞walkの直後に名詞dogという目的語があるのでwalkは他動詞、しかし目的語に続いて補語である形容詞・名詞は見当たらないので、walkは完全他動詞

 

つまり前者のwalkは自動詞で後者のwalkは他動詞です。これを辞書で調べてみましょう。すると自動詞walkの意味には「歩く」や「歩いて行く」という意味があることがわかるでしょう。to+場所(school)があるので、「歩いて行く」という意味のほうがふさわしいですね。すると「私は学校へ歩いて行きます。(行っています)」という意味になります。他動詞のwalkを辞書で調べると「歩き回る」とか「馬や犬を歩かせる」という意味があることが分かります。ここでは「歩かせる」がふさわしいですね。つまり「私は犬を散歩させます。」となります。

動詞についてよく理解できましたか。英語の基礎は「わかりやすい英文法 15のルール」でしっかり学習しましょう。