句動詞とは

動詞は前置詞や副詞と一緒になって、全体で一つの動詞として働く場合があります。これらは句動詞(Phrasal verb)や群動詞(Group-verb)とも呼ばれ、特にくだけた言い方ではよく使われます。ここでは句動詞という名称で統一して説明します。
 

1. 自動詞+前置詞

自動詞+前置詞は他動詞として働きます。自動詞は動作の受け手である目的語をとりません。しかし自動詞が前置詞と一体となって「句動詞」となり、もともと前置詞の目的語の名詞を、その句動詞全体の目的語とします。

He looked at me.
S + Vi + 前置詞 + 目的語

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He  looked at me.
S + Vt + 目的語

lookは本来自動詞ですから受動態にすることはできませんが、look at 全体で他動詞として機能することで下記のように受動態になることができます。(stand for、get at など受動態にできないものもあります。)

He looked at me. → I was looked at (by him).

 
 

2. 自動詞+副詞

動詞の種類自体は変化しませんが、副詞を伴い特定の意味を持つようになります。

He turned up an hour later. → 彼は1時間後に姿を現した。
He set off for home. → 彼は家路についた(出発した)。
 
 

3. 自動詞+副詞+前置詞

1と同様に全体で他動詞の働きをします。また受動態が可能です。

People looked up to him as an great artist.
人々は彼を偉大な芸術家として尊敬している。

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 He is looked up to as an great artist.
彼は偉大な芸術家として尊敬されている。

 
 

4. 他動詞+名詞+前置詞

動詞の種類としては他動詞のままですが、他動詞の目的語を主語にする受動態、3語全体を他動詞と考え、前置詞の目的語を主語にする受動態の2通りが可能ですが、受動態は一般的ではありません。

She took advantage of her mother’s job.
彼女は母親の仕事を利用した。

    ↓↓↓

 a) Advantage was taken of her mother’s job.
b) Her mother’s job was taken advantage of by her.

 
 

5. 他動詞+副詞

動詞の種類としては他動詞のままです。副詞を伴うと特定の意味を含むようになります。他動詞の目的語となる名詞は副詞の前後に置くことができますが、代名詞の位置は副詞の前に限定されます。

We had to put off the meeting. 会議を延期しなければならなかった。
We had to put the meeting off.
We had to put it off.

He took off his shoes. 彼は靴を脱いだ。
He took his shoes off.
He took it off.

 
 

※成句、熟語、句動詞、動詞句、群動詞、イディオム

これらの言葉はあいまいに使われていることが多く、なかなか定義が難しいものですが、基本的な語義は「2語以上からなり、結合して1語の意味を成すもの」です。これらを句動詞、あるいは群動詞と呼び、”put out”(明かり、火などを消す)など原義とはいくぶん異なった特殊な意味を持つものを、特にイディオムと呼ぶのが一般的のようです。このイディオムは慣用句とも呼ばれることもあります。